頻尿とは、排尿回数が多いことを言い、多尿とは意味が違う。頻尿は、小便の回数が増えることで、一度行ってもまたすぐ行きたくなるような状態をさす。尿量が多くなる多尿の場合も尿の回数が多くなるので頻尿になることが多くある。このように頻尿と多尿が同時に起こる場合もあることから、尿量が増加する異常と、尿量は増加しないが尿意が頻繁に起こる異常との2つの症状がある。腎臓の機能により、人体は水分の摂取量で尿量が変化し、体内の水分量を一定に保っている。通常、1日の尿量は1,000〜2,000ミリリットルで、昼間の小便回数は7回程度である。普通は就寝後の小便は行かなくてすむように腎臓で調節される。しかし、水をたくさん飲めば尿の回数も増えるし、老人になれば腎臓の尿を濃くする力(尿濃縮力)が弱るので、夜間に1〜2回小便に行くことも異常と考える必要はない。ただし、夜寝ている間に2回以上小便に起きるようであれば、これは夜間頻尿といって、前立腺肥大症などが原因による頻尿と考えられる。多尿がない状態で頻尿を起こす異常は、脳の疾患で発生する場合もある。また、精神疾患においても発生する場合がある。このような場合はその原因となっている疾患の治療を行うしか手段はない。また、下部尿路(尿管・膀胱・前立腺・尿道)の刺激によって尿意をもよおすこともある。この刺激の原因となるものには炎症・結石・腫瘍・異物がある。頻尿の原因となる一つに膀胱炎がある。膀胱炎は大腸菌によって引き起こされるが、なかには淋菌・クラミジア・ウイルス・真菌による場合もある。尿路感染はとくに寝たきりで免疫力の低下した老人で起こりやすい。また、老人男性はほとんどが前立腺肥大症をもっており、前立腺への感染も起こりやすくなっている。前立腺炎では頻尿のほかに、膿尿・排尿困難・発熱などの症状を示す。これらの下部尿路炎症性疾患の治療には抗生剤・抗菌薬を用いる。老人になれば悪性腫瘍の発生頻度も増加するので、老人の頻尿をみたら膀胱腫瘍や前立腺がんも考える必要がある。