慢性の便秘によって大腸が拡張する病気です。ヒルシュスプルング病は,消化管の動きを制御する力を持っている腸の神経節細胞が,生まれつき無いために蠕動運動が起こらず,1週間も10日も便が出なくて大腸に大量の便やガスがたまって、おなかがふくらんでくるのです。重い便秘症や腸閉塞をおこす病気です。ほとんどは生後まもなく発見されますが、症状が重度でない場合は、発育するまで発見されないこともあります。症状は新生児や乳児の時期にみられることが多いです。生まれつき便が出にくい「便秘気味」のお子さんは大変多いのですが,この病気ではおなかの張りが非常に強く嘔吐を伴うことや,重い腸炎や,腸に孔が開いたり(穿孔)して危険な状態になることもあります。この病気は約5000人に1人の割合で発症し、男の子に多いようです。症状の現れ方としては生まれてすぐの子どもでは、胎便(たいべん)の排泄が遅れることが最初の症状です。通常は出生後24時間から48時間以内にあるはずの最初の便排泄がありません。排便、排ガスができず、腹部は風船のように膨満(ぼうまん)してきます。哺乳力が低下し、濃緑色の胆汁の色に染まったものを嘔吐したり、症状が進むと体重増加不良や栄養不良が現れてくることもあります。治療の方法 は腸管壁の神経節細胞が欠如した領域が非常に狭い場合は、浣腸などでコントロールできることもありますが、ほとんどは腸管の無神経節領域を切除し端々をつなぎ合わせる手術が必要です。無神経節領域の広さにより、根治手術を行う場合や、人工肛門や小腸瘻(しょうちょうろう)を造設する場合もあります。おなかを開ける手術のほか,最近では傷痕を小さくするために腹腔鏡を使って行う方法や,すべての手術を肛門から行う経肛門手術などがよく行われています。